子どもたちの変容と学校づくりの課題
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概要
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本稿は、子ども理解の前提となる、文化的環境の変化に伴う「子どもの変容」と「その実態把握に基づいた学校づくり」を如何に進めるかを目指した試論である。社会変化の認識とその知見をベースにして若い教師がより早く成長していくためは環境の変化に対する理解の共有化と学校づくりの基本を知る必要がある。先ず、学校内の、時代の変化と共に変わってきている現実を捉え、それらを、初任者を含む教師集団が把握することが大切になってくる。つまり、従来は管理職の下に、経験を経た中堅層の複数の教師がおり、リーダー・ミドルリーダーを中心にしたリーダー層の教師集団が、明確な組織体として位置づけられずとも存在していた。しかし、熟年教師の大量退職に伴い、若手教師が中堅層の任務を請け負わなければならない運営責務に立たされる。それには、経験は少ないものの、ミドルリーダーとしての専門的知識をより早く身に付けていく必要がある。その為に、学校の主人公である子どもたちの変容とその把握について知ることが大切である。1960年代以降、産業構造の著しい変化にあって、子ども達の生活を取り巻く環境も大きく様変わりし、子どもたちは消費化社会の中で大人と同等な消費者として成長しつつある。そのことから戦後の第一次産業そして第二次産業と続く産業構造社会の中で育った子ども達と大きく変容している諸事実が学校現場からも指摘されている。そのこととの関連を抜きにしては「子どもの学び」自身が捉えにくい。二点目は子どもたちの実態の上に立った学校づくりについてである。戦後民主教育の視点に立った新たな学校づくりがこの数十年様々な反省の中でなされてきた。しかし、今学校は国際化・情報化の著しい変化の中で、指標それ自体が揺らいでいる。そのことから学校づくりの基本に立ち返った見直しを行っていく必要があると考える。
著者
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