教師の「専門性」育成への課題
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概要
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本稿は、中教審の教育職員養成審議会・第一次答申(1997年7月)以降、特に注目されてきた教師の専門性とそれが注目されてきた背景を探りながら、教師の専門性とは何かを探り、それが毎日の教師の活動とどう結びつくのかを考えた試論である。1960年代以降文部省(文科省)が推し進めてきた「教育の現代化」に端を発した、「経済発展に見合う人材・労働力の計画的養成を重視」した「教育内容の肥大化と過密化」政策は学校教育に負の課題を生起させていった。それは1970年代半ば以降の「校内暴力、登校拒否、不登校、いじめといった問題の多発化と深刻化」の過程である。また、「新自由主義」社会によってより加速された消費化社会によってより質の高い「サービス」を要求する風潮が市民生活の総ての分野で作りだされてきた。それは当然学校教育における保護者・子どもの意識形成に強い影響を与える。教育を「消費」や「サービス」と捉えた無理難題要求が増えていく背景には消費化社会で醸成された消費者の権利意識が基本になっていると考えられる。その中で、「無限界性」の仕事を求められる日本の教師にとって、学力保障だけではすまされない日々の教師としての責任と「専門性」を今後いかに考えていけば良いかを、「私教育」「公教育」の視点からも模索した。
著者
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