中学生を対象としたコミュニケーション・スキル訓練の開発- コミュニケーション・スキル訓練が自己評価に与える影響 -
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概要
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この一連の研究の最終目的は,現代の中学生を対象とするコミュニケーション・スキル訓練を開発し,実施することにより,不登校やいじめなどの問題が発生することを予防することである。牧野(2009)で,中学生のコミュニケーション・スキル(以下,CS と表記)尺度(5 因子)を作成した。その後,このCS 尺度に対応したCS 訓練プログラムを開発し,現役の中学生にCS 訓練を実施し,その効果を検討した(牧野,2010b)。訓練プログラムは1 日(6 時間)をかけて行われた。訓練の結果,いくつかのCS で促進効果がみられた。本研究は,現代の中学生に対してCS 訓練を実施し,その訓練が自己評価(自己効力感,自尊感情)に与える影響を検討する。訓練の前後に参加者の気分,自己効力感,自尊感情への回答を求め,その変化を測定した。平均値の変化を比較した結果,訓練後に参加者の否定的気分は低下していた。しかしながら,肯定的気分,自己効力感,自尊感情に変化はみられなかった。また,個々人の変化を検討した結果,半数の参加者の肯定的気分が上昇し,ほぼ全員の否定的気分が低下していた。しかしながら,自己効力感,自尊感情に変化はみられなかった。コミュニケーション・スキル訓練による自己評価の変化はみられなかった。
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