途上国におけるマイクロクレジットの、わが国消費者金融に対するインプリケーション : 金利規制を例にとって(統一論題「消費者金融サービスと規制」)
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概要
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わが国消費者金融について、及び、途上国において現在非常にポピュラーであるマイクロファイナンス・マイクロクレジットについて、それぞれ活発に議論がなされているものの、両者を結んだ議論はいまだ見当たらないのが現状である。これは、国際開発学界においては、マイクロファイナンスが、消費手段としてではなく、所得向上の手段として認識されてきたという経緯によるものと考えられる。しかしマイクロファイナンスの一形態であるマイクロクレジットは、後述するように、消費者金融としての側面も有するものであるため類似点も多く、参考となる事案も多いと考えられる。そこで本稿において、私は、マイクロファイナンスで行われている議論が、どの程度わが国消費者金融にもあてはまるか検討し、今後、マイクロファイナンス学界とわが国消費者金融学界のお互いの情報交換に役立てることができればと思い、議論の端緒となる試みを行いたいと考える。本稿では、マイクロファイナンス学界において、既に金利自由化について広く実践研究が行われており、参考になるのではと考え、この論点を選んだ。本稿の構成としては、まず、マイクロファイナンス・マイクロクレジットの定義づけを行い、消費者金融との類似性を検討する。ここで、マイクロファイナンスの一形態であるマイクロクレジットが、消費者金融に類似するものと確認される。次に、消費者金融とマイクロクレジットとの類似・相違点を具体的に検討し、利用目的及び構造面での類似・相違点を検討する。最後に、各国金利規制について論じ、マイクロクレジットが金利自由化のもと、完全に適正金利に落ち着くと結論づけるのはまだ早計であると論じる。
- 2004-09-30
著者
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