「教室ユーモア」に関する臨床的一考察 : 授業分析の新たな観点としての「ユーモア」
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概要
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昨今,教育活動が行われる場である「教室」において生起する「ユーモア」という心的現象に注目し,「教室」の改善や,児童・生徒理解の可能性を模索する,「教室ユーモア」研究が注目されている。そして,発表される研究数はこの10年間で劇的に増加し,その成果は確実に蓄積されつつある(青砥(2007)の調査による)。本研究の目的は,実際の授業をこれまでの「教室ユーモア」研究の成果から分析し,「教室ユーモア」研究の臨床的可能性を明らかにすると共に同作業を通して,授業分析の観点としての「ユーモア」の有用性を検証することである。本研究において,これまで研究レベルで語られてきた「教室ユーモア」と,実際の「教室」とを結びつけ分析することができた。これは,「教室ユーモア」研究の,授業や「教室」の改善,理解を目指した実践的展開への可能性を示すものである。一方,授業分析の観点としての「ユーモア」の有用性として,「教室」の雰囲気や人間関係,学習者の意欲や集中力などの「隠れた文脈」を授業の教授学習過程と関連させた形で捉え,授業をよりダイナミックな営みとして把握していくための重要な手がかりとなることが指摘された。
- 2008-12-25
著者
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