理科における観察・実験の場の構成(III) : 観察活動に伴なう脳波変化と呼吸曲線変化の多変量解析(2)
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概要
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本研究は,児童生徒の自然を対象とする観察・実験活動に伴なう心理生理的活動の解析をとおして,理科教育の具備すべき条件を明らかにしようとする研究の一部を担うものである。本小論においては,女子学生13人を学習者とし,観点変更の有無と対応させた2種の観察活動に伴なう脈波及び呼吸曲線をQモード因子分析を用いて分析した。その結果,(1)観察対象が同一の事物現象であっても,観点変更を必要とする場合には3因子が,それを必要としない場合には2因子が抽出された。(2)前者の3因子は後者の2因子と新たな別の1因子からなるものであった。(3)それらは, (イ)安静・落ち着きに対応する因子,(ロ)新たな問題場面に対する認知的・情動的緊張に対応する因子,(ハ)問題解決に必要な新たな情報探索のための観点変更に対応する因子,と解釈できるものであった。したがって,今回用いた手法は,観察に伴なう内的な精神活動の把握に有効なものになり得ると考えられる。
- 日本教科教育学会の論文
- 1980-01-31
著者
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