自然認識成立の分析的研究(IV) : 経験の想起・対象の記述・対象の説明とEOG
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概要
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本研究は児童生徒の自然認識の解析をとおして,理科教育の具備すべき条件を明らかにしようとする研究の一部を担うものである。本実験は男子大学生6人を被験者とし,対象認知時の経験の想起・記述・説明の各段階における眼球運動をEOGを用いて分析した。その結果,(1)対象認知操作に方向性のある説明の段階とその前段階である想起・記述とでは,前者に伴なう飛躍眼球運動の方が後者のそれよりも有意に高まる,(2)説明の段階においても,記述的要素の強い場面と説明的要素の強い場面とでは,後者に伴なう眼球運動の方が前者のそれよりも有意に高まる,(3)記述の段階においても,その記述の方向性の有無により飛躍眼球運動量も異なり,方向性の有る場合の方が有意に高まるの3点が得られた。これらのことから,飛躍眼球運動の出現頻度は,対象と経験との関係づけ・意味づけの度合いおよびその方向性の有無と対応するものと考えることができる。
- 日本教科教育学会の論文
- 1977-10-31
著者
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