1960年代後半における「青い芝の会」の活動 : 実態と意義をめぐって
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概要
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本研究は,先行する研究において言及されることが少ない「日本脳性マヒ者協会青い芝の会」の1960年代後半の活動の解明を目的としている.とりわけ,1960年代末の会の内部における対立と混乱について詳しく検討し,いかにして1970年代の活動につながっていくかを明らかにしようとした.本研究の成果として,第1に,1960年代末に起こった対立は,社会的な支持を失わない程度には要求運動を支持する旧来からの会員を中心としたグループと慈善運動に否定的で,社会的な支持とは関係なく,不当(にみえる制度)を変革していくべきだ,とするグループの対立であることが明らかとなった.また,1960年代における,変わるべきは自分ではなく社会であるという認識がみられる点,施設や親元を離れた暮らしを志向している点が1970年代の活動へとつながっていることを明らかにした.
- 一般社団法人日本社会福祉学会の論文
- 2009-02-28
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