痴呆症の高齢者の心理社会的ニーズを理解するためのツールとしてのバリデーションの有用性について
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概要
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わが国の高齢者福祉において,痴呆症の高齢者に対するケアが,残る課題として挙げられている.痴呆症の高齢者のニーズを理解するためのツールは,高齢者一般に適用される心身状況に関する評価項目に加えて,痴呆症状と痴呆症状によって引き起こされる心理社会的ニーズを明確化することができなければならない.また,そのツールを適切に機能させるための面接技術が必要である.バリデーションは,言語能力によって痴呆症状の進行段階を設定し,その人の感情に焦点をあてつつ,それぞれの段階に対応したコミュニケーション技術を用いており,言語によるコミュニケーションが次第に困難になっていく痴呆症の高齢者との意思疎通を,かなり後期まで維持することができる.それによって職員は,痴呆高齢者をよりよく理解することができるともに,痴呆高齢者を,ニーズ明確化の過程に参加させることが可能となる.
- 一般社団法人日本社会福祉学会の論文
- 2005-03-31
著者
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