「最低限度の生活」の規範 : 保護基準策定過程(1948〜69)からの検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
生活保護法の目的の1つには「最低限度の生活を保障する」が掲げられている.しかし,この内容を具体的に法に規定することはされなかった.そのため,厚生(労働)大臣の定める基準,いわゆる保護基準が「最低限度の生活」に代用されてきた.本稿は,この保護基準策定の過程を1948〜1969年までたどり,そこに明らかにされる規範について考察することを課題としている.保護基準策定過程で,「どの程度の水準でいかなる人の生活を保障するか」は論じられてきた.しかし,生活保護制度が結局どのような生活を保障するかは,個々の生活実態をみなければならなくなってきたことが明らかになった.ただし,本稿で検討した限り明らかな保護基準策定上一貫して用いられた規範があった.それは,「最低限度の生活」として「必要栄養摂取量をみたすか」という規範であった.
- 一般社団法人日本社会福祉学会の論文
- 2004-07-31
著者
関連論文
- 生活保護制度における自立概念に関する一考察 : 自立支援および自立支援プログラムに関する論議を通して
- 生活保護の対象を選別する安否判定のしくみ : 雑誌『生活と福祉』による検討
- 「最低限度の生活」の規範 : 保護基準策定過程(1948〜69)からの検討
- 小特集2に寄せて(小特集2趣旨,イギリスのミニマム・インカム・スタンダード(MIS)を用いた日本の最低生活費研究)
- ミニマム・インカム・スタンダード(MIS法)を用いた日本の最低生活費試算 : 他の手法による試算および生活保護基準との比較(イギリスのミニマム・インカム・スタンダード(MIS)を用いた日本の最低生活費研究)