障害者をめぐる言説の構築とソーシャルワーク実践 : 新たな言説(「聴覚障害者」から「ろう者」へ)の形成と協働の可能性を求めて
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概要
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本論文では,障害者をめぐる言説の構築とソーシャルワーク実践のかかわりについて考察することを目的とし,聴覚障害者の状況を事例としながら具体的に考察を進める.まず,1960年代以降展開していった「ろう運動」を取り上げ,運動を支えた当事者に対して筆者が実施した面接調査の結果から,「聴覚障害者」という言説がパワーを持ち得た社会的背景と当事者の意識を明らかにする.さらに近年の「言語的マイノリティとしてのろう者」という新たな言説の広がりについて,その意義と背景を考察していく.現在わが国では「ろう・難聴の克服」を目指してきた医療モデルからの転換の動きがろう者のなかから生まれ,医療・教育・臨床心理等の実践者・研究者の間でも1つの潮流を作り始めている.そのような状況をソーシャルワーク実践の立場からどのように理解していけばよいのか,また今後に果たす役割とはなにか,理論的動向に照らしながら考察する.
- 2004-03-31
著者
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