ろう者をめぐるソーシャルワーク実践の基礎的考察 : アメリカの専門誌にみる援助観の動向を中心として
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概要
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ろう者が手話という言語をもつマイノリティであるという当事者からの主張は,アメリカを中心として1980年代以降急速に広がっていった。ソーシャルワーク実践の長い伝統をもつアメリカで,そのような主張はいかに受け止められ実践に生かされてきたのであろうか。本稿では,ろう者-障害者という認識から,ろう者=文化的マイノリティといった認識に至る援助視点の変遷を,ある専門誌の掲載論文からたどってみたい。その変化は,「ストレングズ視点(強さ志向の視点)」「エンパワーメント・アプローチ」といったソーシャルワーク実践の新たな理念の展開とも重なるものである。ろう者のアイデンティティが多様なかたちをとって表現されてきているわが国の近年の状況を理解し,そのうえに立脚した援助実践を摸索するためにもアメリカの動向が示唆するものは重いと考える。
- 2002-08-31
著者
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