ニッチ開拓 : 大学病院のソーシャルワーカーによる退院援助の一側面
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概要
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本研究は,大学病院のソーシャルワーカーによる退院援助において,所属機関に対する直接援助に包括できないワーカーの諸活動を,質的調査方法論のグラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて理論化することを意図している。調査では,高い専門性を有すると思われる9名のワーカーから,退院援助ケースと大学病院に対する働きかけに関するデータを,主に半構造的インタビューによって収集し分析した。その結果,4つの戦略と3つのプロセスからなる「ニッチ開拓」という概念を生成した。ニッチ開拓とは,ソーシャルワーカーとしての最適業務を行え,役割を果たし,機能を発揮できるような,大学病院他部門・医療職との関係における個々のワーカーやソーシャルワーク部門の位置(ニッチ)を,ワーカーが創造し,進化させ,拡張させていくことを意味する。これは,ワーカーの退院援助の一部となる活動でもあり,個々の退院援助ケースを円滑に適切に援助するために,ワーカーが所属機関である大学病院の人々に対してとり行う働きかけである。
- 一般社団法人日本社会福祉学会の論文
- 2001-03-25
著者
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