多職種チームの構造と機能 : 多職種チーム研究の基本的枠組み
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概要
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対人援助サービスを行う多職種チームには,チーム内の公式な地位と役割である「組織上の構造」と,チームアプローチを行う上で生じる地位と役割である「チームアプローチ上の構造」がある。チームアプローチ上の構造は,チームが課題達成に最も適したものを任意に選ぶことができるが,組織上の構造は所与に与えられているものであり,チームが任意に変えることはできない。従って,二つの構造が一致しないこともあり,その場合にはチームの活動は大きな影響を受けると考えられる。また,チームの活動はチームワークという言葉で表されることが多いが,その内容によって課題達成のための活動であるタスクワーク,チームメンバー間の調整・統合の活動であるチームワーク,そしてチームの外部環境にある社会資源等を活用するネットワークの3つに分類することができる。タスクワークはチームメンバーである各専門職が行う個人レベルのものと,チームがどのようなアプローチモデルを用いるかのチームレベルの二つがある。チームアプローチ上の構造は,チームレベルのタスクワークにおいて生じるものであり,組織上の構造との一致/不一致が問題となる。本稿ではこれまでに行われた組織及びチームに関する先行研究を踏まえて,多職種チームの構造と機能及び関連する要因についての包括的な研究枠組みを,「多職種チームの構造と機能及び関連する要因の統合モデル」として提示している。
- 一般社団法人日本社会福祉学会の論文
- 2000-07-10
著者
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