駿河湾と北太平洋における微量金属の動態(シンポジウム:駿河湾深層水の海洋学)
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概要
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新たに開発した多元素同時分析法を用いて,駿河湾と北太平洋亜寒帯域における溶存微量金属の分布を観測した.クリーン採水した海水試料は孔径0.2μmのニュクリポアーフィルターでろ過した後,塩酸酸性(pH2)で保存した.目的金属は8-ヒドロキシキノリン固定化含フッ素メタルアルコキシドガラス(MAF-8HQ)カラムを用いて濃縮分離し,ICP原子発光分析法(ICP-AES)またはICP質量分析法(ICP-MS)により定量した.北太平洋亜寒帯域(KH-97-2)の試料ではFe,Co,Ni,Cu,Znを定量した.表面水ではFeとZnが枯渇していることを見出した.駿河湾(1999)の試料ではAl,V,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Mo,Cd,Uを分析した.V,Mo,Cd,Uの濃度と分布は外洋と似ていたが,その他の元素は表層や湾奥の深層で濃度が高かった.表面水のMn,Fe,Co濃度は狭い範囲で大きく変動しており,これらの金属の分布が生物活動の影響を受けていると推定された.
- 日本海洋学会の論文
- 2002-08-21
著者
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