海水中超微量金属の多元素同時定量法の開発
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概要
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8-ヒドロキシキハリン固定化合フッ素メタルアルコキシドガラス(MAF-8HQ)を用いるカラム濃縮法とICP-発光分析法(ICP-AES)又は高分解能ICP-質量分析法(HR ICP-MS)による海水中超微量金属の多元素同時定量法を開発した. 試薬・器具の選択, 器具の洗浄, キレート吸着体の合成, 試料採取, 〓過・濃縮システムなど分析法を通してクリーン技術の確立に努めた. ppmレベルでの予備濃縮実験の結果, pH5の人工海水から34元素が定量的に捕集され, 0.5M硝酸で溶離された. 沿岸海水標準物質を10倍濃縮後, ICP-AESにより分析したところ, Co, Cu, Fe, Ni, Zn, Moの分析値は保証値とよく一致し, 相対標準偏差は8%以下であった. 更に低濃度である外洋の超微量金属は, 10倍濃縮後HR-ICP-MSにより定量した. 北東太平洋で得られたCo, Cu, Fe, Ni, Znの鉛直分布は従来の報告と調和的であった. これらの元素の空試験値は, 0.1nM以下となった. 溶出液中のアルカリ金属, アルカリ土類金属濃度は海水濃度の0.1%以下であり, 本法は脱塩法としても優れていた.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 2001-06-05
著者
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