珪藻ブルーム前後の捕食食物連鎖と微生物食物連鎖(シンポジウム:噴火湾の物質循環における春季珪藻ブルームの役割)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
北海道南西部沿岸に位置する噴火湾において,珪藻ブルームの行方を追跡するため希釈培養実験と捕食者除去実験を行い,植物プランクトンの増殖速度,メソ及びミクロ動物プランクトンによる摂食ロスを測定した.希釈培養実験によって,植物プランクトンのμ_<max>は調査期間を通して0.5-1.5d^<-1>と常に高い事が明らかとなり,ミクロ動物プランクトンによる摂食は,2月と5月にのみ認められ,μ_<max>の60%程度が摂食されていた.しかしサイズ別に見ると,3月には2-10μm画分での摂食ロスが認められた.栄養塩添加実験によって,植物プランクトンの増殖は,8月にのみリン制限下にあることが分かった.メソ動物プランクトン除去実験では,ブルーム終了後の5月以降にメソ動物プランクトンによる摂食が認められた.これらの結果は,珪藻ブルームがどの植食者にも利用されないことを暗示し,微生物食物連鎖を評価することの重要性を示す.
- 日本海洋学会の論文
- 2000-08-25
著者
関連論文
- 親潮域における低次食物連鎖構造の季節変化
- 古典的食物連鎖のパラドックス
- 今,なぜ貧栄養湖研究なのか? 貧栄養湖研究の現状と未来
- 淡水生物群集におけるケミカルコミュニケーション
- 春季ブルム期の噴火湾におけるカラノイダ橈脚類群集の遷移
- 海色リモートセンシングと船舶集中観測による噴火湾における春季ブルームの時空間変動解析 : COMPAS (Coastal Oyashio Multidisciplinary Advanced Study) プログラム
- 珪藻ブルーム前後の捕食食物連鎖と微生物食物連鎖(シンポジウム:噴火湾の物質循環における春季珪藻ブルームの役割)
- シンポジウム「噴火湾の物質循環における春季珪藻ブルームの役割」のまとめ(シンポジウム:噴火湾の物質循環における春季珪藻ブルームの役割)
- 橈脚類の休眠