高潮災害の実態と予測に関する研究の現状(シンポジウム:沿岸海洋災害)
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概要
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過去の高潮の発生頻度の記録から現在は大きな高潮が発生しやすい時期にあたっていることがまず示される.気象庁ではリアルタイムでの高潮予測精度を向上させるため,数値予測モデルを開発している.東京湾周辺で過去に生じた顕著な高潮と近年大きな高潮を起こした台風9119号と台風9512号の例から,現在の高潮予測モデルでの再現精度,問題点を説明する.内湾域では良い精度で再現できる一方,問題点として,外洋に面した港湾で系統的に高潮が過小評価になることが指摘される.これは波浪に伴う水位上昇に起因していることが示される.もう一つの問題点として,内湾域での風予測の重要性が指摘される.これらは従来高潮予測に用いられてきたモデルの共通の課題と考えられる.最後に,今後高潮に関して研究を要する課題が述べられる.
- 日本海洋学会の論文
- 1998-02-25
著者
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