アラメ群落の構造と海中林造成(シンポジウム:藻場造成)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
東北地方太平洋沿岸のアラメ群落の構造を調べ,その結果にもとづいて磯焼け海域で海中林の造成を行った.漸深帯では浅所から深所にかけてアラメ,フクリンアミジ,無節サンゴモを優占種とした帯状構造が形成され,植食動物は無節サンゴモ帯で多く,フクリンアミジ帯で極めて少ない.1〜7月のアラメの萌出期に親潮第1分枝が強勢で低水温で経過する場合,アラメの多数の萌出とワカメの繁茂がフクリンアミジ帯に見られ,翌年,アラメがフクリンアミジ帯まで分布を拡大する.高水温の場合にはアラメ群落が縮小し,フクリンアミジ群落が拡大する.アラメ群落の変動には植食動物の摂食も大きな影響を及ぼす.フクリンアミジから植食動物を排除する数種のジテルペンが生態相関物質として得られた.水深3〜7m,約1,000m^2の磯焼け域に造林礁を投入し,アメラ,ワカメ,マコンブの種苗を移植することによってアラメ海中林の造成に成功した.造林域に平均殼長約5.3cmのエゾアワビを8,000個体放流した結果,2年後には平均殼長9.1cmに達した,放流個体のうち60%を再捕できた.
- 日本海洋学会の論文
- 1990-02-28
著者
関連論文
- 海藻・植食動物間のケミカルシグナル
- 海中林造成の基礎と実践
- クロメの幼芽胞体内に於ける核分裂
- 海中林造成の基礎と実践
- アラメ群落における年級群組成の変動
- ワカメの形態変異について-2-松島湾産2型を母藻とする養殖個体の形態比較
- ワカメの形態変異について-1-宮城県松島湾産ワカメ2型の生長と形態
- 岩手県宮古沿岸の海藻
- 常磐沿岸におけるアラメ群落の変動特性
- 磯焼けの機構と克服技術としての海中造林
- 褐藻アラメの1歳個体における成長と成熟
- アラメの2〜4歳個体の生長および成熟についての観察
- 牡鹿半島沿岸における漸深帯海藻群落の一次遷移
- アラメ群落の構造と海中林造成(シンポジウム:藻場造成)
- 3. 小型植食性巻貝エゾサンショウガイに対する海藻より抽出された摂食阻害物質の作用(平成 5 年度大会(千葉)研究発表要旨)
- 松島湾におけるアカモク群落の周年変化と生産力
- 藻類 (CO2による地球環境変化と日本の食料・農林水産業) -- (CO2気候変化と増・養殖漁業への影響)
- 褐藻類アラメの年齢と生長
- 徳島県牟岐町沿岸における褐藻クロメの成長周期
- 褐藻シワヤハズのエゾアワビに対する摂食阻害物質
- 褐藻アラメの植食動物に対する化学的防御機構
- 牡鹿半島沿岸の漸深帯における海底面剥削後の海藻の再入植
- アラメ群落の後継群形成に及ぼす間引き効果
- 牡鹿半島沿岸におけるアラメ群落の更新過程
- 褐藻フクリンアミジのメタノ-ル抽出物に含まれるエゾアワビ被面子幼生の着底,変態阻害物質とその作用
- 牡鹿半島沿岸におけるアラメ群落の構造
- 褐藻フクリンアミジのジテルペン類によるエゾアワビに対する摂食阻害作用
- アラメ配偶体の生長及び成熟に対する水温と光条件
- 褐藻アラメの5,6歳個体の成長と成熟
- 褐藻シワヤハズのエゾアワビに対する摂食阻害物質
- 褐藻フクリンアミジのメタノ-ル抽出物によるキタムラサキウニの摂食に及ぼす影響
- 褐藻エゾヤハズのメタノ-ル抽出物によるキタムラサキウニとエゾアワビに対する摂食阻害作用
- 褐藻フクリンアミジのメタノ-ル抽出物に含まれるエゾアワビ被面子幼生の着底,変態阻害物質とその作用
- コンブ科褐藻数種のエゾアワビに対する摂食阻害活性
- 褐藻アラメの植食動物に対する化学的防御機構
- 褐藻アラメの1歳個体における成長と成熟
- アラメ群落における年級群組成の変動
- 潮間帯に設置したコンクリ-ト面上の海藻群落