音像定位実験における被験者数が正答率に与える影響(音響信号処理/聴覚/一般)
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概要
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音像定位の精度を評価するための聴覚心理実験において安定で信頼性の高い結果を得るために必要となる被験者数RNS(Required Number of Subjects)を決定することは音響心理学の重要な課題のひとつである.本稿では,定位の正答率の信頼区間を用いてRNSを決定する手法を提案する.定位の正答率は,基準音に対する評価音の音像定位の左右を強制判定する二者択一方式の音像定位実験を行なって得た.定位方向を設定するパラメータとしてITDを用いた.全被験者の正答率を低い順に並べてから,1名ずつ被験者を増やした時の正答率の平均値(増加曲線)と,正答率の高い順に並べた時の正答率の平均値(減少曲線)から得た特性曲線を信頼度95%の信頼区間で分析した結果,増加曲線では,1)RNSは正答率の増加と共に,二次関数的に減少すること,2)正答率の平均値が0.50から1.00の範囲ではRNSは32名程度必要となること,減少曲線では,3)RNSの正答率の平均値に対する依存性は低いこと,4)正答率の平均値が0.50から0.90の範囲では,RNSは35名程度必要となることを明らかにした.これらの結果から,RNSは35名程度であることを結論づける.
- 2010-08-02
著者
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