短編小説の読みにおける紙の書籍と電子書籍端末の比較
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概要
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本稿は,電子書籍端末の読みやすさを評価することを狙いとする.26 名の被験者に紙の書籍,iPad,Kindle,ノート PC を用いて短編小説を読んでもらい,読書速度,読書時の認知負荷,メディアに対する主観評価の観点から読みやすさを比較した.結果として,第 1に,ページめくりを含まない場合は 4 種類のメディアでの読書速度は同水準であり,ページめくりを含む場合は Kindle とノート PC に比べて紙の書籍と iPad での読みは有意に速かった.第 2に,NASA-TLX を用いた読書時の認知負荷の測定の結果,4 種類のメディア間に認知負荷の有意な差は認められなかった.最後に,メディアに対する主観評価では,iPad の評価は表示品質,操作性,読書端末としての総合評価では肯定的な評価であり,読書時の疲労やメディアの重量に対しては否定的な評価であった.一方,Kindle の評価は表示品質や読書時の疲労,メディアの重量に対しては肯定的な評価であったが,操作性や読書端末としての総合評価では否定的な評価であった.また,いずれの主観評価項目でも紙の書籍は,異なるメディアのなかで最も高い評価を得た.
- 2011-01-14
著者
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高野 健太郎
富士ゼロックス株式会社研究技術開発本部
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大村 賢悟
富士ゼロックス株式会社研究技術開発本部
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柴田 博仁
富士ゼロックス株式会社研究技術開発本部
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大村 賢悟
富士ゼロックス(株)
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柴田 博仁
富士ゼロックス株式会社 研究技術開発本部 コミュニケーション・デザイン・オフィス
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高野 健太郎
富士ゼロックス株式会社 研究技術開発本部 コミュニケーション・デザイン・オフィス
-
柴田 博仁
富士ゼロックス株式会社
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