DSPを用いた心音特徴検出システムに対する検討(ディジタル信号処理)
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概要
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心臓病などの生活習慣病は,長期間にわたり定期的に観察しなければ発見されにくい場合が多いといわれている.我々は家庭における診断の手助けを目的として,心音信号解析を患者本人やその家族が手軽に行えるよう,心音を処理するシステムを聴診器そのものへ導入し,心音信号解析を行う在宅医療用診断支援聴診器を開発することを目指している.心臓病疾患の症状により異なる特徴をもつ異常心音の特徴検出を行うことで,心音の正常,異常の判断を行うシステムを構築することは,手軽に毎朝の健康状態をチェックでき,患者のQOL(Quality of Life)の向上にもつながる.構築にあたり心音信号解析を行うシステムを,実装面積や消費電力を考慮すると,DSP(Digital Signal Processor)へ実装することが有効な手法である.本論文では,心音の発現時相を考慮し,心拍周期変動に対応できる心拍周期計測法を提案し,心雑音,I音及びII音分裂を検出する手法とし,ウェーブレット変換による周波数分解,I音及びII音の2値化信号の積分による時間幅算出を行う手法を提案し,これらを組み合わせたシステムを構築した.これをMATLAB/Simulinkを用いDSPへ実装し,DSPを用いた心音特徴検出システムを構築して実験を行った.実験には,正常心音,I音及びII音分裂心音,心雑音心音を使用して,それぞれの心音をDSPへ入力した.その結果,DSPの出力が正常心音時にゼロ,異常心音時に異常部成分のみを得ることが可能であることを明らかにした.
- 2010-11-01
著者
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