企業存続の概念と今日的意義(第3報告,長寿企業の経営とその今日的意義-伝統と革新-)
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概要
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現代の企業は、その内外を巡る様々なステークホルダーに奉仕・配慮する社会的存在としての性格を強く帯びた、制度的企業と呼びうるものとなっている。かかる制度的企業の形成・運営の基本原理として、共同原理と共生原理を挙げることができる。制度的企業にあっては、企業の存続を以って企業の根本目標とすることが求められているといってよい。企業の存続は、企業活動の永続化を意味するとともに、それはステークホルダーとは区別される企業それ自体の存続を図ることも含意する。制度的企業は、時代とともに発展・変化すると考えられる。今日の制度的企業は社会経済的会社の段階に到達している。グローバル企業としての社会経済的会社の経営者は共同原理については言うまでもなく、共生原理についてもその一層の経営内在化を図ることを求められている。社会経済的会社にあっては、企業の存続は企業成長なる概念を含む発展的存続として理解されるとともに、企業の社会的責任と並んで資本維持が企業存続の条件として強調される。これからの制度的企業は、高次社会的会社として示すことができる。それは、自然資源への請求権を有する将来世代のそれを含む多様なステークホルダーの期待に応えようとする企業である。そこでは、共生の原理が経営原理として一段と意義を持つ。このような高次社会的企業にあっては企業それ自体の存続が、企業存続概念において一段と強調される。また、物的成長に替わって質的成長の概念が存続概念に含まれることになる。
- 2010-10-29
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