経営者教育と企業目的概念(第3報告,第3セッション【経営者教育】,日本企業の経営実践と経営教育)
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概要
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自由化・グローバリゼーション・技術革新の進展に伴っての市場競争の激化、巨大多国籍企業の展開、地球環境問題・世界人口問題・貧困問題等のグローバルな社会問題の深刻化のなかで、企業維持責任、多国籍企業の責任、グローバル規模の社会貢献責任といったものが、今日、企業の社会的責任として新たに出現しており、現代の経営者は、社会的責任志向の企業経営に努めることを不可避としている。社会的責任指向の企業経営とは、現代の企業経営そのものを意味するといってよい。責任指向の経営が企業において適切に実践されるか否かは、なによりも経営者のリーダーシップに掛かっている。ここでは、まず、現代企業が社会的存在として「制度化」するに至っていること、現代の経営目的は地球環境問題の展開の中で、サステナビリティの概念を織り込むことを要請されていることを示す。そして、企業の制度化およびサステナビリティ概念を投影した根本的経営目的ないし企業指導原理として、共同理念と共生理念が意義を有していることを強調する。ついで、現代の経営と経営者について考察する。今日の企業経営にあっては、さまざまなステークホルダーの企業への期待の充足を経営活動の目標としてとり上げるところの、包括的にして実践的な経営目標が設定されねばならない。また、市場戦略と社会戦略のいずれもが重要となっているとともに、両戦略の統合への努力が一段と要請されている。現代の経営者は、社会的視野の拡大と他者への一層の配慮,創造性・革新性の一段の発揮、強い責任感・倫理感といったものを求められており、マーシャルの「経済的騎士道」の実践者たることを要請されているのであって、経営者教育においてもこのことが認識される必要がある。
- 2009-06-26
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