屋久島照葉樹林におけるオオバヤドリギの分布と生態 : 北九州市周辺の境内林調査結果との比較
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概要
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北九州市周辺部におけるオオバヤドリギの生育分布に関する調査結果を踏まえて、屋久島森林環境保全センターによって西部林道沿いの世界遺産登録地域内に設定されたモニタリング・プロット(4ha)において1997年6月と11月の2回、本種の生育分布を調査し、両地域の比較を試みた。モニタリング・プロットの群落は構成種などが、北九州市内の境内林と大きく相違していたが、本種の多犯性、林冠優占木に多いこと、やや集中的な分布をすることなど、同様の傾向も認められた。モニタリング・プロットでは新たに、谷筋に分布を欠くか極めて少ないという本種の分布と地形との関係も明らかとなった。これらの生育分布の特徴は種子散布動物、特に鳥との関連が深いことをうかがわせ、一部文献にみられるヤクザルの関与は少ないと思われた。本種の寄生による被害は個々の宿主樹木上の差としては現われなかったが、林分全体でみると、屋久島では森林更新に関与しているのに、北九州市内では境内林衰退の一因となっていた。この違いには、それぞれの森林の面積の差、すなわち連なりと広がりの差が重要な要素となっていると考えられる。
- 樹木医学会の論文
- 1999-03-31
著者
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