スエヒロタケ固体培養による植物バイオマスからのフェノール物質の生産
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概要
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植物バイオマスからの有用フェノールの生産を目的として,スエヒロタケを用いたフェノール類の生産について研究を行った.アカマツ木粉培地では,オートクレーブ直後にバニリンとバニリン酸が生成していたが,培養過程においてスエヒロタケによる作用によりその量が増加した.ブナ木粉培地では遊離するフェノール物質の量が少なく,アカマツ培地の量の1/10程度であった.イナワラ粉末培地においては,シリンガ酸が生成していたが,その量はわずかであった.米ぬかを基質とした場合,多量のフェルラ酸が生成しており,これはスエヒロタケの生産するフェルラ酸エステラーゼおよびp-クマール酸エステラーゼの作用であると推定した.以上の結果から,スエヒロタケを利用したバイオマスからのフェノール類の生産においては,基質により異なった物質の生産が確認でき,スエヒロタケに代謝の特異性があると推定できた.
- 2009-07-31
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