様々な生育段階におけるシイタケの生長および酵素生産に対するバニリンの効果
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概要
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固体培地の様々な成育段階における食用きのこシイタケに対するバニリンの効果について調べた。成長段階である培養開始1週間後にバニリンを添加したところ明確な作用は確認できなかった。定常段階である4週間後に添加を行ったところ,菌糸生長は増進され,菌糸の褐変化の促進および子実体誘導が起こった。培養開始6ヵ月後の休眠状態の菌糸においては,添加により菌糸成長の再開は起こらなかったがフェノール酸化酵素の生産が顕著に認められた。一般にフェノール化合物は酵素生産および子実体形成の誘導物質として機能するが,栄養成分とはならないため,本研究でも休眠菌糸は生長しなかった。以上の結果,フェノール化合物は休眠細胞に作用することがわかり,適切な栄養成分との組み合わせにより休眠菌糸や生長不良菌株の活性化作用を持ちうることが示唆された。
- 2005-12-25
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