分析的処理と全体的処理の概念導入における自然認識研究に関する一考察
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概要
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本研究は、自然事象に対する人間の情報処理の方法の概念として、分析的処理と全体的処理の概念(分析的処理・全体的処理概念)を導入することによる自然認識研究の改善点を挙げ、今後の研究において改善するために必要な課題を呈示することを目的とした。考察の結果、自然事象に対する人間の情報処理の方法に適合した自然認識の調査方法が用いられていない問題・全体的処理による自然認識を対象とした研究が進展していない問題(改善点1)、分析的処理あるいは全体的処理のみを研究対象とする問題(改善点2)、分析的処理と全体的処理の相補性による自然認識の形成(以下、自然認識の相補的形成)を研究対象としない問題(改善点3)が考えられた。上記の各改善点に対して、人間の情報処理の方法と適合した自然認識の調査方法を実施すること・全体的処理による自然認識を対象とした研究を進展させること(課題1)、分析的処理と全体的処理を共に研究対象として自然認識研究を実施すること(課題2)、最も効果的に自然認識の相補的形成を促進させる授業デザインなどを実証的に追究すること(課題3)が今後の必要な課題であると考えられた。
- 日本理科教育学会の論文
- 2009-11-06
著者
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