B-1 経営資源としての「ダメ社員」 : 組織活性化のための一試論(自由論題)
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概要
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企業は競争優位性の獲得を達成するために効率的な経営を図ることがある。この場合、「無駄」を排除し効率的な経営を追求することになり、「無駄」のない経営資源の活用が目指されることになる。しかしながら、効率性追求のために、排除されるものの中には有用なものも存在しているのではないかという問題意識が本研究の開始地点である。企業組織(以下組織)はさまざまな経営資源を保有する。本稿では、それらのなかでも重要である組織の人的資源に焦点をあてる。すなわち、「無用」に見えながらも組織に「有用」な存在である社員の存在事実の解明を図るとともに、こうした人的資源を「ダメ社員」と位置付け、「ダメ社員」に関する(1)存在意義、(2)経営資源としての重要性、(3)組織活性化のための戦略的活用法、の3点に関する解明を図ることを目的としている。本稿では、第1に経営資源としての「ダメ社員」の定義づけおよび、社員概念の整理を図った。第2に、「ダメ社員」の経営資源としての重要性について、未利用資源および異質な人材としての可能性という観点から論じた。さらに、「ダメ社員」がどのように組織を機能させるかという2つのメカニズムに関する解明を図った。「ダメ社員」の存在が組織そのものに影響を与える観点(マクロ的観点)から、組織のリダンダンシーとして組織の機能を高めているというメカニズム、および「ダメ社員」が個々の組織メンバーに影響を与える観点(ミクロ的観点)から、組織の機能を高めるメカニズムを提示した。第3に組織活性化のために「ダメ社員」を有効活用するためのマネジメント手法に関する検討を図った。
- 2010-06-25
著者
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