盲人集団の職業的自立の危機とその克服への試み : 岩橋武夫と大阪ライトハウス設立を中心に
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概要
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近世において,盲人集団は,鍼・灸・按摩などを営み,一定の経済的自立を得ていた.明治に入ると,これら盲人の伝統的職業は,晴眼者の進出により蚕食され,盲人集団は職業的自立の危機を迎える.本論文では,その危機を克服する試みのひとつとして,岩橋武夫が設立した大阪ライトハウスを取り上げ,その設立過程と岩橋がそこでなにを実現しようとしたかを明らかにする.岩橋は,欧米で盲人問題の解決が進んだ背景に,盲人をそのハンディキャップを補うことで自活可能な者として肯定する,「合理的保護」概念の発見があることを見いだした.そして,英国で調査した盲人のための社会事業を日本にもたらそうと,日本の実情に即した「日本型盲人社会事業」を構想し,その実験場として大阪ライトハウスを設立した.
- 2009-05-31
著者
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