殺虫剤の連合作用に関する研究(1)(化学物質)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
殺虫剤の連合作用のうち,共力作用については研究例が多い。6種の共力剤を用い,化合物A(7-メチル-2, 3-ジヒドロ-3-べンゾフリルクリサンテメート)に対する効力増強作用および化合物Aと他のピレスロイド剤の効力増強作用等を検討した。その結果はつぎのとおりである。1)化合物Aにサフロキサンまたは1-ドデシルイミダゾールを配合するとイエバエ成虫およびチャバネゴキブリ成虫に対する殺虫力およびノックダウン効力が増大した。6種共力剤のうち,これら2種の共力剤が有効で,また,サィネピリン-500では桔抗作用が認められた。2)化合物Aにサフロキサンを配合すると,殺虫力の増強はチャバネゴキブリ成虫よりイエバエ成虫に対して大きく,また,S-421ではイエバエよりもチャバネゴキブリに効力増強作用が大きい。3)化合物Aとフタルスリンの間には共力作用が認められたが,クリスロンとの間には相加作用が認められた。4)日本において,シロアリ防除の分野ではS-421が広く効力増強剤として実用されているが,S-421 自体にノックダウンおよび殺虫効力があり,また,化合物Aとの間にはノックダウンについて相加作用が認められた。これに反して,化合物Aと1-ドデシルイミダゾールの間には,共力作用が認められた。4)化合物Aに紫外線を照射すると効力が消失したが,あらかじめサフロキサンまたは1-ドデシルイミダゾールを配合すると殺虫効力が保持され,とくに1-ドデシルイミダゾールが良好であった。6)化合物Aに共力剤としてサフロキサンまたは1-ドデシルイミダゾールを配合する場合,またはフタルスリンを配合するとイエバエやチャバネゴキブリに効力増強作用が認められたが,他の昆虫または別の試験方法では,一般に,それぞれの条件による効力増強作用を検討する必要があると考えられる。
- 1991-07-20
著者
関連論文
- 殺虫剤の連合作用に関する研究(1)(化学物質)
- 炭素系材料の応用によるシロアリ防除(第2報) : 木材腐朽菌に対する炭素系材料の作用機構(化学物質)
- 木材防腐防虫剤の毒性に関する研究(第2報) : 防腐防虫処理木材の安全性(化学物質)
- 殺蟻効力試験方法に関する研究
- 木材防腐防虫剤の毒性に関する研究(第3報) : 急性経口および経皮毒性試験(化学物質)
- 木材防腐防虫剤の毒性に関する研究(第1報) : 目および皮膚に対する刺激性(化学物質)
- 家屋害虫防除剤(2)
- 害虫防除剤(1)
- 森八郎博士の研究業績(森八郎博士追悼号)
- 弔辞(森八郎博士追悼号)
- 家屋害虫防除剤(薬剤)