肺癌術後再発の放射線治療中に発生した食道気管支瘻に対して食道ステントを留置し,QOLの改善が得られた1例

概要

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症例は58歳男性、原発性肺癌のため、他施設で右下葉切除術を施行された(腺癌、p-T2aN2M0 Stage IIIA)。術後補助化学療法(CBDCA + Paclitaxel 3 コース)が行われたが、縦隔および右胸腔の局所再発を認め、気管気管支狭窄となり、呼吸困難をきたしたため当科を紹介された。気管分岐部から左右主気管支に高度の狭窄があり、硬性気管支鏡を用いて、Y型シリコンステント(TMステントサイズ 15-11-11mm)を留置した。呼吸困難は改善し、その後、肺門縦隔に放射線治療を行ったが、発熱と咳嗽が出現した。気管支鏡、食道内視鏡を施行し、TMステント留置より末梢側の右中間気管支幹と中部食道に瘻孔を確認した。気道側からの瘻孔閉鎖は困難と判断し、食道にcovered typeの金属ステントを留置した。その後患者は経口摂取が可能となり、治療後2ヵ月間原病死するまで良好なQOLを保つことができた。難治性の食道気管支瘻に対するステント留置は患者のQOLを改善させるのに有効な方法と考えられた。
2010-06-25