経済地理学および関連諸分野におけるネットワークをめぐる議論
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概要
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本稿では,「ネットワーク」を鍵概念とした,経済地理学や関連諸分野における既存研究の動向について検討している.既存研究におけるネットワークへの接近法は,アクター間の関係性の構造的側面に焦点を置く構造的パースペクティブと,不確実性の高い環境下におけるネットワークのガバナンスの手法を重視するガバナンスパースペクティブとに大別できる.しかしながら両パースペクティブともに空間的含意は乏しい.そこで本研究では,ネットワークの構成要素であるアクターの違い(企業組織・都市)と,ネットワークが占める空間的次元(ローカル・ノンローカル・グローバル)との2つの観点から,ネットワーク形態の整理を試みている.さらに,信頼や協働・協調関係,知識フローといったネットワークの中身・質に関する新しい議論を,上記の2つのパースペクティブから検討している.そして,ネットワーク構造に着目する社会ネットワーク分析が,組織間関係を分析する上で有効なツールであり,それを経済地理学の研究領域として定置する際には,空間性の導入が必要であることを示す.
- 2008-03-30
著者
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