産業集積におけるイノベーションの決定要因分析 : 地域新生コンソーシアム研究開発事業を対象として(<特集>地域政策の分岐点-21世紀の地域政策のあり方をめぐって-)
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概要
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本稿では,イノベーションが起きる空間的次元に着目し,地域新生コンソーシアム研究開発事業における事業化達成によって捉えられるイノベーションの決定要因の分析を行った.産業集積がイノベーションに与える効果は,これまで3種類の動学的外部性(MARの外部性,Jacobsの外部性,Porterの外部性)によって理論的に捉えられてきた.本研究では,広域市町村圏ごとに動学的外部性の値を算出し,さらに共同研究開発の実施データをもとに,主体間のネットワークを域内・域外と区別して定量化することによって,共同研究開発ネットワークがイノベーションに与える効果の推定を行った.その際に本研究では,説明変数を精査した上でポアソン回帰モデルを採用することにより,既存研究で多くみられた多重共線性や被説明変数の非正規性の問題を克服している.分析の結果,産業集積が与えるイノベーションの効果は多様性の経済が主であり,地域特化の経済と市場の競争性の効果はみられないこと,域内の密なネットワークとともに域外の組織との接触もイノベーションに正の影響を与えること,研究分野別にイノベーションの決定要因において異なる特徴がみられることを明らかにした.
- 2009-12-30
著者
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