産業集積論を巡る主流派経済学および経済地理学における議論の検討 : 新しい空間経済学の成果を中心に
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概要
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産業集積は,経済学や経済地理学といった学問の専門の別を越えた,ホットトピックであり,近年は新しい空間経済学への関心が深まってきている.本稿では,経済地理学者および主流派の理論経済学の論者による,新しい空間経済学に対しての批判的検討のなかから,両学の発展的な可能性を探ろうとしているものに焦点を当て,新しい空間経済学が有する課題を検討する上での論点を抽出した.諸議論の整理により,次のような知見を得た.まず,経済地理学者の多くが,数理モデルを重視する新しい空間経済学の台頭を懐疑的なものとしてみており,専門を異にする学問間の交流の際には,採用する方法論の違いが障壁となっているという事実を確認した.しかしながら近年,互いの方法論に対して無理解であることを自省する論考もでてきており,相互補完的な関係構築に向けた試みがあることを示した.そのような相互補完的な関係の構築の際には,ロックイン効果や経路依存性のような,両学における共通の研究領域を定置していくことが必要である.
- 経済地理学会の論文
- 2006-12-30
著者
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