台湾産ミドリシジミ族2種,タカサゴミドリシジミとエサキミドリシジミの幼生期の研究
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概要
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1965年4月に,タカサゴミドジシジミNeozephyrus taiwanus(Wileman)の卵殻と幼虫を嘉義県および南投県仁愛郷各地で得た。またエサキミドリシジミの幼虫と同種のものと考えられる卵殻を,南投県仁愛郷の幼獅ならびに翠峯において採集した。野外における習性を観察する一方,幼虫類はひき続き室内飼育を試み幼生期の形態について研究した。1.タカサゴミドリシジミは,カバノキ科のタイワンハンノキAlnus Formosanaを食樹とする。卵はその細枝や芽の付近に1個ずつ産付する。幼虫は日本産ミドリシジミNeozephyrus taxila japonica(Murray)に見られるような造巣習性を示す。幼虫の形態もミドリシジミに酷似し決定的な相異点を見出し得なかった。蛹は日本産のNeozephyrusやChrysozephyrusに類似するが,若干の相異点を認めた。2.エサキミドリシジミは,ブナ科のカシ類の1種Pasania(?)sp.と,カシ類未同定の他の1種を食樹としていた。幼虫の概形は日本産のChrysozephyrusに似るが,体色は暗褐色で日本産の他種とは区別できる特徴をそなえている。側縁節間のくびれはアイノミドリシジミC.aurorinus(Oberthur)よりも強く,キリシマミドリシジミC.ataxus kirishimaensis(Okajima)に類似する。蛹は,アイノミドリシジミに似ていた。
- 1967-10-01
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