副詞ドウヤラと判断の焦点化
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概要
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ドウヤラは陳述副詞に分類され、ヨウダなど証拠に基づく判断を表す形式が文末に来ることを予測する。しかし、それだけでドウヤラの機能を十分に捉えていると言うことはできない。ヨウダなど証拠に基づく判断を表す形式は、判断結果について述べるという側面と、判断材料について述べるという側面を持つ。ヨウダと共起することが不可能な場合を中心に、ドウヤラの働きについて考察を行ったところ、ドウヤラは判断結果のほうに焦点を当てる機能を持つことが示唆された。しかし、多くの文脈では「ドウヤラ〜ヨウダ。」と「φ〜ヨウダ。」の両方の表現が可能であり、そこにドウヤラの焦点化機能を読み取ることは容易ではない。そこで小説(『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』)の地の文を対象とし、「ドウヤラ〜ヨウダ。」の選択要因について分析を行った。その結果、判断性の焦点化が必要な文脈下で「ドウヤラ〜ヨウダ。」が選択されていることが明らかになり、ドウヤラの機能が統一的に捉えられた。
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