台湾産ミノウスバについて
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概要
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ミノウスバ,Pryeria sinica,は中国上海産の標本を基に記載され,これまで,中国東部,日本,朝鮮半島,極東ロシアに分布が知られていた.筆者らは新たに台湾の山地(標高1,800m)にも本種が分布することを発見した.日本においては,成虫は晩秋に羽化し,食樹のマサキが生垣に使われることもあり,都市部においても昼間活発に飛びまわるのを観察することができるが,台湾においては成虫は12月末に発生している.また,4月に老熟幼虫をニシキギ科ツルウメモドキ属のCelastrus punctatusより採集している.成虫は,日本産と比較し,小型で色も黒く,一見して異なった印象を受ける.また,幼虫の色彩も地色が薄く,黒い帯が太いなど違いが見られる.このため別亜種として扱う可能性も検討したが,各産地の標本を比較すると変異は連続的で微妙であり,今後幼虫形態も含めて各地の標本を比較する必要があると考え,分類上の取り扱いについては従来通りとした.
- 1997-03-20
著者
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