S化学の事業部制マネジメント・コントロールと管理会計
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概要
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本研究は,S化学工業株式会社のフィールド・スタディをベースにして,同社の事業部制マネジメント・コントロールと,これを支える管理会計システムの変遷を描くことを一つのねらいとしている.S化学では,1958年に事業部制を導入して以来,この方式を同社の基本的なマネジメント・コントロール・システム(MCS)として定着させ,またこれを絶えず改善する努力を続けてきた.その変遷を振り返ることは,日本企業の事業部制マネジメントの一つの縮図を見ることになると考える.この研究のもう一つのねらいは,S化学の事業部制マネジメント・コントロールの特徴を整理することを通じて,いわゆる米国型マネジメント・コントロールとは異なる「日本的」な特質を明らかにし,本誌に投稿・受理された論文のベースになる情報を提供することにある.こうしたねらいのもとに,まず第1節で問題意識を述べた後,第2節では,同社の1960〜70年代の事業部制マネジメントの推移と,その特徴について考察する.第3節では,1980年頃に行われた組織構造と管理会計システムとの同時的な改革(以下80年改革と呼ぶ)の大要を明確にし,つづく第4節では80年改革以後に生じた事業部制マネジメントの変化を考察する.そして第5節では,まとめを兼ねて,こうした事業部制マネジメントと管理会計の変遷に見られる主要な特徴を再整理する.
- 1993-12-25
著者
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