高度両側内頸動脈病変を有する患者の横行結腸切除術における麻酔経験

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両側内頸動脈狭窄症を伴う大腸癌患者の横行結腸切除術において、硬膜外併用脊髄クモ膜下麻酔で管理した一例を報告する。【症例】74歳、男性。構音障害を主訴に入院。左中大脳動脈領域脳梗塞の診断で加療中、貧血を認め、精査で横行結腸癌と診断され、横行結腸切除術が予定された。磁気共鳴画像(magnetic resonance imaging, MRI)、血管造影で左内頸動脈90%狭窄、右内頸動脈50%狭窄を認めた。術中に脳虚血が発生する可能性があり、全身麻酔は選択せず、覚醒下で手術を行う麻酔方法を計画した。第11、12胸椎間より硬膜外カテーテル留置後、脊髄クモ膜下麻酔を施行した。第4胸神経レベルまでの無痛域を得て手術を開始した。術中は意識レベル評価にBispectral Index 値を、脳血流評価として経皮的脳内酸素飽和度を測定した。術中これらのモニターで大きな変化は見られなかった。術中、一過性に血圧が低下したが、エフェドリン、フェニレフリンの単回静注ですぐに改善した。術後、神経症状や新たな脳梗塞はみられなかった。【考察】高度脳血管病変を有する患者に脊髄クモ膜下硬膜外併用麻酔を覚醒下に行う方法は、神経症状や意識状態を直接評価でき、血行動態の安定も得られ、術中脳梗塞の予防、早期発見という面から有用であると考えられた。【結語】両側内頸動脈狭窄症を伴う患者の横行結腸切除術を脊髄クモ膜下硬膜外併用麻酔で覚醒下に行い、安全に管理し得た。
2010-07-25

高度両側内頸動脈病変を有する患者の横行結腸切除術における麻酔経験

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