小児脊髄脂肪腫の外科治療 : 根治的脊髄脂肪腫切除術(<特集>小児脳神経外科における新しい治療)

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概要

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小児脊髄脂肪腫手術の目的は,脂肪腫減圧と脊髄係留解除にある.同時に,脊髄脂肪腫切除術後の再係留をどのように予防するかということが問題になる.従来は,脊髄脂肪腫を硬膜から全周性に剥離後,神経機能温存を重視して脂肪腫を部分切除(70〜80%)する手術法(標準的手術法)が主流であった.一方で,脊髄脂肪腫と脊髄組織の境界(癒合面)で切除し脂肪腫全摘出を目指す術式(根治的切除術)が近年注目されるようになってきている.本稿では,標準的手術法と根治的切除術について,術式の概略を説明した.根治的切除術では,脂肪腫をほぼ全摘出が可能なため,術後の再係留予防にも有効と考えられる.また,手術の安全性を高めるためにも,術中神経生理学的手技は欠かせない.複雑な脂肪腫の手術にあたっては,両者を組み合わせることにより,より根治性の高い手術が可能であることも示した.根治的切除術は,技術的要求度も高いため,手術の実施にあたっては標準的手術法を熟知している必要があると思われた.
2010-04-20

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