慢性状態にある思春期の子どもと親が辿る軌跡 : 共鳴する苦悩に生きる意味を見出す
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概要
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本研究は、慢性状態にある思春期の子どもと親が辿る病みの軌跡の構造化を目的とした質的研究である。分析方法は、木下の修正版(modified-Grounded Theory Approach)を用い、半構成インタビューガイドを用いた面接調査を行った。データ収集は、継続比較法による分析過程で、理論的サンプリングにより行った。対象者は、12-19歳の先天性心疾患または1型糖尿病で外来通院中の子どもと親の18ケース(6組が子どもと両親、12組が子どもと父親または子どもと母親)で計42名であった。見出されたカテゴリーは、《深刻な岐路》《捻れ》《苦悩との対峙》《親子生活の呼応》《将来を生きる紡ぎ合い》の5つがプロセスを成し、『将来への見通し』『家族生活の広がり』『親子のコミュニケーション』の3つの軸に規定された。そして、最終的に浮かび上がったコアカテゴリーは、[共鳴する苦悩に生きる意味を見出す]であった。看護者は、子どもと親が病気とともに生きるリアリティを実感し、創造していけるように継続的なケアを提供する必要性が示唆された。
- 2010-03-20
著者
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