目標磁場分布の低次項近似によるハンディMRI用傾斜磁場コイルの設計手法(生体工学)
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概要
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我々は,永久磁石とコイル群とで構成される小型のプローブを対象物に近接することにより撮像可能なハンディMRIシステムの構築を目的としている.本システムによる適切な画像化のためには,装置を構成する傾斜磁場コイルが広い線形領域を有するようにコイルパターンを最適化する必要がある.傾斜磁場コイルの最適化手法として,所望する磁場分布を発生するコイル平面上の電流密度分布を逆推定するターゲットフィールド法が広く知られている.しかしこの手法では,設計過程で生じる電流密度分布の振動によりコイルパターンが複雑となり,その結果コイルの小型化が困難となっていた.我々は,電流密度分布の振動が目標磁場分布の高次成分に起因し,これが指数的に増強されることを見出し,目標磁場分布を低次成分のみで近似することにより電流密度分布の振動を抑制する手法を考案した.これにより,画像化平面において所望する磁場分布を発生する傾斜磁場コイルの設計が可能となる.その一例として,1辺12.8[cm]の傾斜磁場コイルにおいて,コイル平面から1.5[cm]離れた画像化平面の中央4.0×4.0[cm]の領域で線形な傾斜磁場を発生可能なことを数値解析及び試作コイルを用いた実験を通して確認した.
- 2010-06-01
著者
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