沿岸海上風の特性とその推算法
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
沿岸海上風を特徴づける主な要因としては陸域と海面の粗度の違い,表面温度特性の違い,及び地形効果かおり,これらの影響は大気の安定度によっても現われ方が異なる.本稿ではまず観測結果に基づいてこれらの要因を考察する.各要因ともそれぞれ特徴的な効果を持つが,大気境界層の上面が強い不連続面でおさえられ,その上側に安定度のいい自由大気が存在する場合に沿岸海上風の局地性が強調されるようである.沿岸の海洋現象,特に高潮,高波,海洋循環,沿岸湧昇などの現象を解明し,あるいは海事関係で船舶の航行安全を計るために,沿岸海上風の実用的な推算法の開発が1970年代から活発に行われている.その代表的なものとしてのMASCONモデル,混合層モデル,及び風一層モデルを概説し,それらの適用性について述べる.どのモデルも実用性は高いが,大気の鉛直構造などに強い仮定を置いているため,その特性を十分に理解して用いねばならない.
- 1995-02-28
著者
関連論文
- 相模湾の気象・海象(その2)
- 3.3.22 沿岸域の異常波浪及び海洋変動に関する研究(II)(3.3 経常研究,3. 研究業務)
- 相模湾の気象・海象(その1)
- 台風9119号による瀬戸内海の高波と強風
- 内海における海上風推算手法の開発
- 内湾の波浪推算に関する諸問題(シンポジウム:臨海部開発と沿岸防災)
- 巨大波浪について : 台風8712号の波浪を中心に(シンポジウム:気象擾乱に対する沿岸海洋の応答)
- 有明海の海況の特徴(シンポジウム:内湾の有効利用に関する水の流動と交換)
- 沿岸海上風の特性とその推算法
- 海上風と波浪予報(沿岸海洋研究部会創立20周年記念シンポジウム:沿岸海洋学各分野の総合報告と問題点)
- 東京湾の潮汐,潮流,高潮,波浪(日本沿岸海洋誌 その5)
- 舞阪の高潮
- 台風によって起った大島岡田港の気象潮