南京国民政府と教科書審定 : 教育部編審処と国立編訳館の会議記録を中心に
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概要
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1980年代以降,日本と中国,そして韓国は歴史教科書の記述と解釈をめぐって激しく対立した。これは歴史教科書問題とも呼ばれ,とくに,近現代史分野をめぐっては,被害と加害という二つの解釈をめぐって多くの意見が提示されている。この教科書問題をめぐっては,戦前と戦中,そして,戦後の教科書の内容分析に多くの優れた研究成果が発表されているが,本稿では,教科書の内容分析から一歩,距離を置き,中国における教科書審査の過程がどのように進められてきたのか,に分析の焦点を当てることにしたい。とくに,今までは言及されることが少なかった1927年以降の南京国民政府における教科書審査過程がどのようなプロセスで行われていたのか,を教育部編審処の会議記録と国立編訳館の教科書審議を担当した人文組と自然組の会議記録(中国第二歴史档案館所蔵)を通して紹介したい。
- 2010-04-25
著者
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