ディープ・エコロジー思想を導入した環境教育の特質 : アメリカ・カナダ・オーストラリアの事例から
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概要
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現在,欧米では持続可能な社会の実現に向けて,人間個人のライフスタイルを,よりエコロジカルに変容するような意識変革が重要視されるようになってきた。この意識改革を標榜する環境教育の有力な一つが「ディープ・エコロジー教育」である。本稿では,アメリカ,カナダを中心とした「ディープ・エコロジー教育」のプログラム事例について多面的に分析し,ディープ・エコロジー思想を導入した環境教育の発展と特質について解明した。「ディープ・エコロジー教育」としては,自己開放型の環境教育プロジェクト,自然同化型の環境教育プロジェクト,ディープ・エコロジー思想の概念援用型の環境教育プロジェクトが実践されている。その中心的特質として,以下の4点が挙げられる。(1)教育目標として,「自己実現」を目指している。(2)自己と他の多様な生命および生命以外の自然物との一体感を実感できるような体験学習を導入している。(3)地域の自然の中で行う野外活動が中心となっている。(4)当初,地域の環境学習センターにおける希望者向けワークショップの形式で実施される形態から地域の学校と共同して環境教育プロジェクトを実施する形態へと移行しつつある。
- 日本理科教育学会の論文
- 2008-11-30
著者
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