全変動最小化の高速計算手法(画像・映像処理)
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概要
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全変動は輝度変化が滑らかであるという仮定を導入することなく画像を扱える正則化基準である.全変動最小化によって入力画像から骨格成分を取得する手法として,(1)骨格成分とは双対の関係にある振動成分に着目し,半陰的再急降下法により解く手法や,(2)ノイズエネルギーが既知の値以下であるという制約条件付き最小二乗問題と全変動を画像の分類から決定される値にする凸最適化問題の二つを交互に解く手法が提案されている.しかし,これらの手法は計算コストが高いという問題がある.本論文では,全変動最小化を高速に計算する手法を提案する.まず,全変動を二次元画像に適用して離散化する際に,平方根計算が必要ないノルムを用いる.次に,劣こう配を用いた反復処理で骨格成分を計算する.双対変数を計算しないこと,FFTを含む射影関数や平方根計算が不必要,浮動小数点の計算回数の削減により計算量を削減する.計算時間を従来手法の(1)に対して53%,(2)に対して5%へと大幅に削減できることを実験結果により示す.提案手法は従来手法と同等の性能を維持したまま,陽に忠実化項と平滑化項から構成される反復処理を可能とする.
- 2010-03-01
著者
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渡辺 裕
早稲田大学大学院国際情報通信研究科
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河村 圭
早稲田大学大学院国際情報通信研究科
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石井 大祐
早稲田大学大学院国際情報通信研究科
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渡辺 裕
早稲田大学国際情報通信研究センター
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河村 圭
KDDI株式会社
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渡辺 裕
早稲田大学
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石井 大祐
早稲田大学大学院国際情報通信学研究科
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河村 圭
KDDI研究所
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