院生参画授業の実際 : 日本教育大学院大学の院生によるゼミ実践報告
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
はじめに 私たちが学ぶ日本教育大学院大学(以下本学)は,昨今の混乱した教育情勢に新たな風を吹き込む次世代の教員養成のため,㈱栄光が2006年に設立した専門職大学院である。当初は社会人のみの募集だったが,2008年(3期生)から新卒大学生の募集も始めた。そんな中,私たちは2009年4月,日本教育大学院大学第4期生としてその門を叩いた。埼玉県越生町の宿泊研修施設で行われたオリエンテーション合宿で行われたゼミ決めにおいて,私たちは林教授の参画教育・ラベルワーク(後述)を学ぶことになった。その私たちは,この1年間を過ごす中で教育への関心の幅が広くなっていった。入学当初は中等教育中心のカリキュラムに併せ学生もその分野に重点を当てていたのに対し,次第にあるメンバーは特別支援教育,またあるメンバーは初等教育,そしてまたあるメンバーは高等教育機関の現状に目を向けるようになった。これは学生一人ひとりが自分を取り巻く「教育」というものに正面から向き合っている何よりの証拠だろうと考えている。この学生の教育に対する熱意をより学校全体に取り上げてもらい,よりよい教職大学院の実現につながらないか,ということを考えるようになった。あらゆる方面から教育を支えることのできる,また創り上げている大学院の実現に向け,何か学生にできることはないか,そのような気持ちで学びに邁進している。入学からの約1年,このような教育に対する様々な思いを抱き林教授と学びを積んできたことになる。今回の小論文では1年間の実践報告と,筆者ら自身がこの教育法を経験して変化したこと,さらにゼミという枠を超え,「よりよい教育」に向け自分たちにできること,持つべき姿勢どう考えたかを明らかにする。それはこの小論文が,小学生から大学生に至る全ての年代に学力低下が叫ばれる中,学生主体の授業をいかに形成し,継承し,発展させるか,そしていかに参画的人材を育てるかを主眼に置いていることを意味する。
- 2010-03-31
著者
関連論文
- 院生参画授業の実際 : 日本教育大学院大学の院生によるゼミ実践報告
- 知識社会の次世代型大学教育 : ナレッジ・マネジメントと参画教育の視座から
- 高齢者に実施したラベルワークの創造的思考への効果
- 5G-2 教室外の学びの場づくりを支援するシステム : 看護教育の場合(学習活動,一般セッション,コンピュータと人間社会)
- 参画型教育から参画教育へ--教え合い・気づき合い・学び合う場を自分たちで創り出す学生たちの誕生 (参画型看護教育の展開)
- 参画理論 入門各論(7)参画活動支援ツールが拓く新しい可能性--S-ページ・e-ラベル・D-図解 (参画型看護教育への挑戦--島根県立看護短期大学発"看護ラベルワーク"技法(8))