服薬継続における「自己決定の尊重」と看護:当事者の語りをとおして考える
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概要
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抗精神病薬の服薬中断により入退院を繰り返したある当事者の語りをとおして、服薬継続における「自己決定の尊重」と看護の役割について考察し、主体的に服薬継続をしていくために看護が求められていることは何かを明らかにした。患者が自ら服薬継続の必要性を認識し納得する、そのプロセスを支援していくことが看護に求められる。具体的には、1薬物療法に関する日常的な援助場面や、SST・心理教育などの集団療法的な場面で、看護の専門性に則ったインフォームド・コンセントを行っていく、2患者-医師間に信頼関係ができ、薬に関して率直に話し合いができるようになるために、患者自らが行動を起こせるようなエンパワメントを図っていくことが挙げられる。また、肥満のような個人的なプライバシーに関わる副作用については、集団療法的アプローチとともに個別的な対応が求められる。その対応策は、患者自ら判断でき、その人なりの無理のない実践が可能となるように支援をする。地域で生活する当事者には、副作用などの困りごとをいつでも相談できる「場」が必要である。外来などを利用して、患者に最も近くにいる看護が中心となって、「場」を提供する対策が必要である。
- 2007-03-10
著者
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