地磁気全磁力異常から2次元磁性体を推定する方法
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概要
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Rao et al.(1993)は,均一磁化した下方に無限の2次元4角柱磁性体を地磁気全磁力異常から直接推定する計算プログラムを発表している.彼らは地磁気全磁力異常の計算にTalwani and Heirtzler(1964)の方法を,あてはめ法に最小2乗法を,そして推定するモデルの未知数を効率よく求めるためにMarquardt(1963)の方法(以下,マルカール法と記す)を用いている.著者は彼らの方法を改良し,均一磁化した下方に有限な2次元4角形磁性体を推定できる計算プログラムを作成した.これにより,2次元磁性体を4角柱だけでなく台形など形状に自由度を持たせることが可能となり,より現実的に地磁気全磁力異常の原因となる磁性体を推定することが可能となる.なお,作成した計算プログラムは,均一に磁化した単一の磁性体モデルを対象とし,磁気異常は現在の地球磁場の誘導磁化,もしくは現在の地球磁場と同方向の残留磁化によって生じることを仮定している.作成した計算プログラムの有効性を調べるために,理論的な2次元4角形の磁性体による地磁気全磁力異常のおよび南八丈堆で観測された地磁気全磁力異常から,それぞれ磁性体モデルを求めた.その結果,前者では与えた磁性体モデルを高い精度で再現し,後者では観測値をうまく説明できる磁性体モデルを得ることができた.また,後者の例のように一つの磁性体モデルでは説明できない場合も,あてはめ処理を繰り返し行い,複数の磁性体モデルを推定することにより対応できることを示した.
- 東海大学の論文
- 2008-03-31
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